東明工業の技術

東明グループは航空宇宙産業に特化し、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV) も手掛けました。
国産ロケットのパネルアセンブリの製作に従事し、その製作技術力のみならず、卓越した品質管理システムが高く評価されています。

ARGには航空機に関わる技術や品質管理システムを取り入れた東明グループの技術的優越性が活かされています。

私達は機能的なAnti Rolling Gyroスタビライザーを製造します。

理論

ARGの原理

ARGにはコントロール・モーメント・ジャイロ (CMG: Control Momentum Gyro) の原理が応用されています。高速回転するフライホイールを側方に傾けると、前方または後方に傾けようとするジャイロ・フォースが発生します。

これがジャイロスコープの原理です。

ARGの原理
ジャイロスコープの原理

フライホイールの角運動量 H と揺れの角速度 Φ はジャイロスコープの原理に従ってジャイロトルク Tg を発生させる。

Tg = H x Φ

ダンパー C があると、Tg はジンバルを角速度 ϑ で傾ける。

ϑ = Tg / C = HΦ/C

一方で、H と ϑ は、やはりジャイロスコープの原理に従って抑制トルク Ts を発生させる。

Ts = Hxϑ

ϑ を代入することで、Ts は船の揺れ角速度 Φ に比例した抑制トルクとして作用する。

Ts = (H2/C) x Φ

ARGの構成
シンプルなARGの構成

ARGの開発ストーリー

ARGの開発初期段階、三菱重工業が人工衛星の姿勢制御技術に取り組んでおり、いろいろな試行錯誤の中ジャイロ原理を活用するに至り、その優れた反応性と信頼性を備えたパッシブ・システム(受動制御)が開発されました。

私達は、こうした航空技術に活用されたジャイロ・システムが採用される経緯を見て学び、仕組みが複雑になればなるほど、そのシステムはトラブルを起こす傾向にあることから、我々は三菱重工業が採用したパッシブ・システム(受動制御)を活用したシンプルな(耐久性に優れた)ARGの開発に到達しました。

「自分達がしていたことはこれだ!」

また、私達は空冷式を採用することで、水冷や油圧システムに必要なポンプや配管を排除し、問題を起こしうるコンピュータ制御をなくしました。必要なものだけを残し、シンプル且つ耐久性を目指したのが東明工業のARGです。コンピュータ制御システムは他社のアクティブ・ジャイロ・スタビライザーに利用されていますが、ご存じのように、一般にコンピュータ制御は高湿度で塩害のある海洋環境では問題が発生する場合があります。

「シンプル イズ ザ ベスト」

ISS 国際宇宙ステーション

東明工業のARG – Anti Rolling Gyro(アンチ・ローリング・ジャイロ)はシンプルな受動制御のパッシブ・ジャイロ・スタビライザー・システムにより揺れを大幅に軽減します。減揺トルクは以下の方法で計算されます。

最大減揺トルク (Nm) = 角運動量 (Nms) x ジンバル角速度の最大限度 (rad/sec)

ARG125T: 2,500Nms x 5rad/sec = 12,500Nm (実際の最大揺れトルク)

ARG250T: 5,000Nms x 5rad/sec = 25,000Nm

ARG375T: 7,500Nms x 5rad/sec = 37,500Nm

Competitor 9: 18,810Nm